矯正治療
矯正治療というと、歯並びの見た目を改善する治療というように思われがちです。実際、歯並びの見た目をコンプレックスに感じて矯正治療に踏み切る方が多いのが現状ですが、矯正治療というのは、見た目の改善よりも健康的なメリットの方がむしろ多いと言えるかもしれません。
歯ならびや噛み合わせが悪い状態を不正咬合といいます。不正咬合は見た目の悪さやものの噛みにくさを招くだけでなく、歯を早期に失う原因になったり、体の健康を害してしまったりすることもあるので注意が必要です。
不正咬合によって現れやすくなる症状
不正咬合があると、次のような症状の原因になることがあります。
- 虫歯、歯周病
- 歯根が割れる
- 知覚過敏
- 口臭
- あごの痛み
- 口が開きづらい
- あごの関節の雑音
- 滑舌の悪さ
- 頭痛
- 肩こり、首の痛み
- 口内炎
- 口腔がん
- 自律神経失調症
- イライラ
- 睡眠時無呼吸症候群
- 胃腸障害
- 心理的コンプレックス
など
矯正治療をすることにより、以上のようなリスクを減らすことが可能です。そのため、たとえ見た目が気にならなくとも、不正咬合がある場合には矯正治療を検討されたほうが良いかもしれません。
矯正治療のメリット・デメリット
- 見た目が良くなる
- 歯並び、噛み合わせを整えることで、口元のバランスがきれいに整い、笑顔にも自信が持てるようになります。
- 歯を長く健康に保ちやすくなる
- 歯並びが整うことによって、歯磨きがしやすくなり、虫歯や歯周病にかかりにくくなります。また、噛み合わせが整うことで、特定の歯に過剰な負担がかかることがなくなります。結果的に歯を長く健康に保ちやすくなります。
- 口臭が改善する
- 歯磨きがしやすくなり、細菌が蓄積しにくくなりますので、口臭も改善します。
- 滑舌が良くなる
- 受け口(下あごが前に出ている噛み合わせ)、開咬(前歯が噛み合わない状態)のような不正咬合の場合、発音や滑舌が悪くなりがちですが、矯正治療をすることによってこのような状態も改善されます。
- 体の健康を保ちやすくなる
- 不正咬合によって起こっていた体の諸症状が改善され、将来的に健康を保ちやすくなります。
- 保険がきかない
- 現在の日本の健康保険制度では、一部の例外(顎変形症)を除き、矯正治療は保険が適用になりません。そのため、自費治療となり治療費がある程度高額になります。
- 治療が長期間にわたる
- 矯正治療は、少しずつ歯を動かして歯並びや噛み合わせを整える治療です。一気に歯を動かすことはできませんので、通常は2〜3年かかるのが一般的です(個人差があります)。
- 装置が必要
- 矯正治療では、歯に装置をつける必要があります。装置によっては固定式で表から見えることもありますが、ケースバイケースで取り外し可能な目立たない装置を使用することも可能です。
- 抜歯が必要になることがある
- 歯の大きさに対してあごの大きさが小さい場合、歯を何本か抜歯しなければうまく歯が並ばない場合があります。抜歯が必要かどうかは、精密な検査をして判断していきます。
矯正歯科の治療の流れ
無料コンサルティング
矯正治療に興味のある方は、まずは無料コンサルティングをご利用ください。患者さまのお悩みや希望などを詳しくお伺いし、大まかな治療方針、想定される治療費などについてご説明いたします。疑問に思われることはどんなに些細なことでも結構ですので、遠慮なくお尋ねください。
精密検査
お口の健康状態を詳しく検査し、歯や頭部のレントゲン写真撮影、お顔やお口の中の写真撮影、歯型の採取などの資料取りを行います。
コンサルティング
検査で得られたレントゲンや歯型を見ながら、患者様のご希望に沿った治療計画を立案し、治療期間や治療費などの詳しい説明を行います。
治療開始
矯正治療に先立って、虫歯や歯周病などの治療、抜歯の必要がある場合には、そちらを優先して行うこともあります。
矯正治療の準備が整ったら、矯正装置を付けて治療を開始します。治療期間は成長期以降の方は2~3年程度、成長期のお子様は成長発育に合わせて治療を行う必要があるため、3~7年程度とお考えください。装置がついたら、1ヶ月に1度くらいのペースで来院していただき、装置の付け替え、調整などを行います。一回の治療時間は大体30~60分くらいが目安です。
保定
歯並びが整ったら、装置を外し矯正治療は一旦終了です。ただし、装置を外してすぐのころは、そのままにしておくと、歯並びが元に戻ろうとする「後戻り」を起こしますので、矯正治療後一定期間はリテーナーと呼ばれる保定装置を使用していただきます。その間、数ヶ月ごとに状態の観察を行なっていきます。