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COLUMN歯科コラム

肥満だと歯周病になりやすいって本当?!

肥満は糖尿病、高血圧、動脈硬化、脳梗塞、心臓病、癌などといった生活習慣病のリスクを高めることがよく知られています。

そして実は肥満は歯周病とも深い関連があります。
歯周病とは歯茎の炎症から始まり、進行すると歯を支える骨を溶かしてしまうという、歯を失う最大の原因となる病気。

実際、歯周病も生活習慣病の一つとして数えられているので、肥満とも深く関係してくるのです。

まさに肥満は万病の元!
肥満解消に取り組むことで歯周病の改善も期待できますよ!
それでは肥満と歯周病の関係について見ていきましょう。

肥満になる原因

まず、肥満になる原因について見ていきましょう。
肥満になる原因は「食べすぎ」や「運動不足」、一般的にはこのように思われています。
ですが、実はそれだけではありません。

同じような生活をしているのに、若いころに比べて太りやすくなった、という人も多いのではないでしょうか?

それはなぜかというと、食べすぎや運動不足以外に、次のようなことが肥満の原因に関係しているからです。

代謝の低下

加齢に伴って筋肉量が減少して基礎代謝が落ち、生きるために必要なエネルギーはだんだんと少なくなります。
そのため、若い頃と同じような食生活をしていると、エネルギーが余ってしまい、余剰なエネルギーは脂肪と変換されて体に蓄積されます。

ホルモンの変化

ホルモンの変化によっても肥満のリスクは高まります。
具体的には、加齢に伴い糖代謝に働くインシュリンの働きに関わる性ホルモンが減ることも、肥満を招く原因になると考えられています。
女性に関して言えば、更年期に差し掛かってエストロゲンが減ることにより、食欲が増す傾向があります。
エストロゲンは満腹中枢を刺激する働きがあるので、減ってしまうと満腹感が得られにくく、過剰に食べてしまうリスクがあります。またそれに加え、空腹ホルモンの作用も強めるため、さらに食べたいという欲求が強まります。

肥満がなぜ病気を引き起こすの?

摂取するエネルギーが過剰になると、脂肪として蓄えられますが、実は脂肪細胞は単なる脂の塊なのではなく、「内分泌器官」としての働きもしていることが分かっています。

これはどういうことかというと、体に蓄えられた脂肪細胞は、レプチン(食欲を抑える)、アディポネクチン(インシュリン感受性を高める)、TNF-α、IL-6(炎症を起こす悪玉物質)といったさまざまな物質を分泌し、体にさまざまな影響を及ぼすのです。

慢性炎症を引き起こしてしまう

肥満で脂肪細胞が大きくなると、酸素が足りなくなり、炎症性物質が分泌され、体じゅうに軽い炎症を引き起こします。そうすると、血管や肝臓、すい臓に影響を及ぼし、動脈硬化、糖尿病、高血圧へとつながっていきます。

インシュリンが効きにくくなる

脂肪細胞から作られる炎症物質は、細胞内でインシュリンの働きを邪魔します。
その結果、血糖を細胞に取り込みにくくなってしまい、高血糖→糖尿病の状態になっていきます。

見た目に太っていなくても要注意!

脂肪には皮下脂肪と内臓脂肪があります。
皮下脂肪が多いと太って見えますが、皮下脂肪が少なく、痩せているように見えても内臓脂肪がついている場合があります。

この内臓脂肪は、肝臓や腸のまわりにつくものですが、こちらは皮下脂肪よりもホルモン分泌が活発で、炎症を引き起こしやすく、より生活習慣病の危険性を高めます。

肥満と歯周病はどう関係する?

研究によると、体脂肪率が5%増えると、歯周病リスクは30%増えると言われています。そしてとくに、内臓脂肪が多い人は歯周病を起こしやすい傾向があります。

脂肪細胞から分泌される炎症物質によって歯茎の炎症を起こしやすくなったり、血液の流れを悪くさせてしまったりすることで歯周病を悪化させてしまうのです。

歯周病は現在、成人の8割がかかっているとも言われている病気。
歯周病にかかると、歯周病菌が出す炎症物質がさまざまな全身の病気を起こすことも分かっています。

また、歯周病菌はインシュリンの働きを邪魔するので歯周病の人は肥満になりやすいことも分かっています。

つまり、肥満と歯周病は、相互に影響を及ぼし合う関係であり、両者ともに全身の病気を引き起こす原因となるのです。

健康的な生活を送って肥満解消に取り組むこと、口内のケアを丁寧に行って歯周病改善に取り組むことで、肥満も歯周病も改善し、全身の健康改善にもつながっていきます。

いつからでも体質改善は可能ですので、皆さんも今からでも取り組んでみてくださいね!

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